2008年2月17日日曜日

お知らせとレポート。

火曜日に予定していた「企画書」企画は延期します。十分な準備がかけられないこと。テーマの絞り込みが不十分。出席者の主体的な参加が見えづらい。などなど、理由はいろいろありますが、参加を予定していた方々すいません。後日、パワーアップして開催します。

先日の「技術とビジネス」企画のレポートを久保さんがまとめてくれました。ありがとうございます。読み返してみると現在の若手の開発環境が漠然と抱いている空気感や期待、不安がよく現れていますね。こちらも次回は春先にでも続編を開催しようと思います。



薫風会「冷静と情熱の間。然り、技術研究とビジネスの間」レポート 
 
開催:2008/02/04夜@グローアップ社オフィス
参加者:大野、久保、小池、小林、須子、鶴、都丸、丹羽、八田、古郡 (あいうえお順) 
 
■■■背景■■■
日本でのITバブルが弾け、グーグルが生まれない環境が固まってしまったのは「文系の香具師的な営業マンが主役だったからだ」という統括が、一般的になってきている。多くの優秀な研究者は、学生時代に研究を重ねたテーマに見切りをつけて営業ピエロになってしまったり、大企業の研究所に閉じこもったりという実情がある。それらが起因し、多くのビジネスは短絡/刹那的なものに終始して、その利益で潤うのも一部の経営者のみである。結果、日本のIT技術力の弱体、ひいては日本の国力の弱体化を招いている。 
 
■■■趣旨■■■
技術的な基盤があることでビジネスがより強くなり、より多くの人々に社会的な価値が提供できるのでは。という仮説のもと、技術研究とビジネスの架け橋の可能性を探る。 
 
■■■議論の焦点/キーワード■■■ 
◆日本の技術者にとっての価値ある研究
・日本の研究として価値があるとされているのは、対象が「未踏分野の研究」であり、「事業化」ではない。
 基礎技術⇒応用技術⇒実用技術⇒事業化⇒収益化⇒社会基盤というステップがある中で、 
 「事業化」以降のフェーズまでの視野を持っている技術研究者は、日本では稀である。 
◆日本の優秀な技術研究者はどこにいるのだろうか
• 事業化までイメージできる技術者の多くはシリコンバレーへ行ってしまう現実。彼らは日本社会では、埋もれてしまう/正当かつ相応な評価を得られない/損をする。
• シリコンバレーと日本では、技術者の価値観・文化が違う。シリコンバレーには優秀な技術者が「個人」として活躍できる場が用意されている。
• しかし一方で、円安の影響(?)かどうかは定かではないが、最近、一部の優秀な日本の技術者が、シリコンバレーから日本に帰ってきているという話もある。日本IT復興の鍵を握る人々かもしれない。
 
◆日本的「組織」 VS アメリカ的「自立した個の集合」
• 日本では、「○○さん」ではなく、「△△社さん(ex.ソニーさん、松下さん)」のように、技術者個人よりも会社名が先に出る文化がある。日本はその組織力を武器に、高度経済成長を遂げてきたので、「組織」が必ずしも非であるわけではない。
• しかし一方、世の中は、携帯電話やブログなどのパーソナルツールが登場し、それに伴い、「個」ができる範囲が急激に広がっている。それが「個」の自立への追い風になっている。
• 個人が表に出ない「組織」より、「自立した個の集合」が活躍する現在、日本の技術者たちも、「個人」を磨くべきだ。
 
◆見巧者になろう
• 「見巧者」とは
1. 芝居をよく見慣れていて、芸の見方の上手な人。芸人の芸をちゃんと評価できる人
1. 物の見方の優れていること、また優れている人
• 広い視野で社会を見る目を養い、個人としての価値を高める。 
 
■■■まとめ■■■

• 技術研究とビジネスの間を埋めるために議論してきたが、大別すれば①②③に分けることができ、それらを解決していくことが鍵となる。
• 本会合では、具体的な解決策の企画までは至らなかったが、問題意識の共有は行うことができた。日本の技術者を、「より広い視野と人脈を持ち、個として自立した、事業化までをイメージできる技術者」に導くべきだということ。
• そのための次の具体的な一歩をどうするべきか。各自の宿題です!
 
 
■■■その他の話題■■■ 
◆ほとんどの情報は、共有するべきだ
• 昨今のヒステリックな情報漏えい対策や情報保護対策は、それにかかるコストや情報流通制限を生み、多大なる社会的損害を生んでいる。
• きっと、流出してはいけない情報なんて5%程度。その他95%の情報は共有することで社会的価値を共創できる。
• 情報を皆で共有し、情報提供者に相応の報酬を還元できる社会システムが必要である。
• 流出してはいけない5%の情報を自動的に判別できる技術が開発されれば、情報社会は大きく変わるだろう。
 
• ストレージの常識が変わる。
• データ容量の増大、ネットワーク技術との連動により、「ゴミ箱に捨てる」という行為がほとんど行われなくなる未来がやってくる。しかも、5年ぐらいで。
• (Ex. Eye-fi:撮影した写真を自動的にFlicker等の指定のPHOTOサイトにアップロードしてくれるSDメモリー型カード。)
 
• WindowsがWindowsで無くなる日も近い。
• WEBブラウザさえあれば、OSはいらなくなる日が来る。⇒WEBアプリケーション化。Windowsの囲みこみ戦略の限界。
 
• Appleは凄い。しかし、技術はどれも新しいわけではない。
・彼らの功績はサービスイノベーション。技術を、誰の手にも渡る状況を作った。 
• Appleのインターフェイス開発には、哲学がある。「やることを決める。」のではなく、「やらないことを決めている。」
• 例えば、iPodが直接ネットに接続して、ITMSから曲をダウンロードするのは技術的には可能。しかし、それは行わない。短期的には便利になったように思えるが、それはAppleが将来的に目指すスタイルから遠ざかってしまうから。らしい。
 
• Financeの世界で、唯一、確実に予測がつくのが年代別人口比率の変動。
• いびつな逆三角形の年代別人口比率になるのは時間の問題。
• 国策で子供を生ませるか?移民を受け入れるか?どうするジャポン!
 
• エコブームの真意とは
• 国民の生活水準を下げるための言い訳か?
• はたまた、単純に新商品を売るための口実に過ぎない?

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